食育 vol.13
適度に糖質を摂り、脂質を抑え、良質の蛋白質を補給する。
それと同時に腹八分目を常に心がける。
いつもより食事に気をつけてみると、
BDNF(Brain Derived Neurotrophic Factors 脳由来神経栄養因子)という物質が
増えることが分かったようです。
このBDNFは、
学習機能の向上や、食欲と代謝を適度に調節する役割を果たします。
食事を減らす→脳のセンサーがエネルギーが欠乏している事をキャッチする→
エネルギーの取り分を確保する為に脳の機能が活性化する→BDNFが増えるというしくみ。
結果的に、脳の視床下部の機能がアップし、
各種ホルモンと脳神経系のやり取りがスムーズになり、
余計な欲求が抑えられ、適量の体に取り入れた栄養が効率よく代謝されるということ。
栄養素の比率をコントロールし、ちょっとだけ食事を減らすことで、
脳と身体は本来持っているポテンシャルを発揮するようになるのですね。
そして、食事制限以上にBDNFを発現を促すのが運動。
運動をすることによって、IL-6(インターロイキン6)が大量放出されるのですが、
このIL-6がBDNFを確実に増やすということが分かっているそうです。
アメリカの最新の論文で肥満者に対する実験をした結果が発表されています。
肥満者を摂取カロリー20%減、摂取カロリー10%減+運動による消費カロリー10%増、
何もしない、という3つのグループに分けて半年間生活するという実験で、
結果は何もしないグループは変化なし、
他2グループは同じように体重と内臓脂肪の量が低下したそうです。
食事制限を加えた2グループの大きな違いとなったのは
血液中の脂肪の量や血圧といった血管レベルの数値。
例えば血液中の総コレステロールの低下率が運動を加えたグループが著しく、
しかも悪玉コレステロールが減り、善玉コレステロールが増えるという
理想的な状態になったそうです。
もちろん、低下したのは運動を加えたグループ。
運動+食事が必要だということが明らかということが分かりますね。
ただ、運動といってもなかなかとりかかり続けるには・・・という方がいるのは分かります。
NEAT(Non Exercide Activity Thermo-genesis 非運動性熱生産)という、
立つ、歩く、階段を上る、掃除をする、自転車で買い物に行くなど
といった日常動作がバカに出来ないということも分かっているのです。
なんと1日の消費エネルギーの40%を消費することができ、
運動習慣が無い人にとっては、このNEATレベルでもIL-6が分泌されるようです。
なんともお手軽ですね。
継続こそ力なり
飽食の時代だからこその発見と言ってもいいかもしれません。
どうしても食欲のコントロールが出来ない方、ぜひお試しくださいませ。
≪隔週月曜日更新≫