21世紀健康館-名古屋市天白区の整体・各種ボディケア

株式会社 ヒューマンラボジャパン

*

不眠症

   

スッキリしない天気が続いて、寝苦しい夜もありますがしっかりと睡眠をとるためにに参考にして頂ければ・・・

                   

■認知行動療法、慢性不眠症治療の第一選択へ
メタ分析で臨床的な有用性が確認、治療終了後も効果は継続

 慢性不眠症への認知行動療法の有効性を調べたランダム化試験のメタアナリシスから、認知行動療法による不眠改善の効果量(エフェクトサイズ)は臨床的な意義のある大きさで、治療終了後も効果は継続することが明らかになった。検討結果をAnnals of Internal Medicine誌電子版へ2015年6月9日号に報告した、オーストラリアMelbourne Sleep Disorders CentreのJames M. Trauer氏らは、「併存疾患のない慢性不眠症患者に対しては、認知行動療法を第一選択の治療とすべき」と提言している。

 不眠症の有病率は高く、成人の5~15%は、慢性不眠症の診断基準を満たすと報告されている。慢性不眠症に対しては、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬などを用いる薬物療法が広く行われているが、依存性の形成や反跳性不眠などの有害事象が問題視されている。一方、不眠に対する認知行動療法(CBT-i)は、有害事象や非忍容のリスクなしに持続的な利益をもたらすことが示されており、慢性の不眠患者に対する第一選択療法として推奨されるようになってきた。

 CBT-iは5つの構成要素からなり、それら全てまたは一部を組み合わせて実施されている。具体的な構成要素は、(1)認知療法:睡眠と不眠に関する好ましくない考え方や習慣を見いだし、好ましい方向に修正する、(2)刺激統制法:ベッドは眠るところと認識させるため、眠くなった時だけ利用する、15~20分眠れなかったらベッドを離れると指導する、(3)睡眠制限法:ベッドの上で眠れない時間を減らし睡眠効率を上げるために、ベッドにいる時間を制限する、(4)睡眠衛生法:睡眠環境を整えるために、見える場所に時計を置かない、睡眠の計画を立てない、昼寝をしない、アルコールやカフェインの摂取を控える、などを実施させる、(5)リラクゼーション:覚醒状態を和らげ筋肉の緊張をほぐすために、瞑想や筋弛緩法などを実施させる──の5つだ。

 著者らは、成人不眠症患者の夜間の睡眠に関するCBT-iの有用性を調べるために、システマティックレビューでランダム化試験を抽出し、メタアナリシスを実施した。レビューの対象は、MEDLINE、EMBASE、PsycINFO、CINAHL、コクランライブラリー、PubMed Clinical Queriesに2015年3月31日までに登録されたランダム化比較試験。18歳以上の慢性不眠症患者を対象に、CBT-iと睡眠衛生教育やプラセボ投与などCBT-i以外の治療について、睡眠日誌を用いて夜間睡眠への影響を直接比較した試験を選定した。

 20件の研究(総参加者1162人、平均年齢は56歳、64%は女性)が抽出され、データのプール解析が可能だったのは19件だった。20件の研究は全てCBT-iの構成要素を3つ以上適用していた。なお、CBT-iは、患者グループに対して実施していた研究が7件で、残りの13件は個別に実施していた。

 主要評価項目は、睡眠日誌の記録に基づく、入眠潜時(就床から睡眠開始までの時間)、中途覚醒時間、総睡眠時間、睡眠効率とした。評価は、治療終了後すぐと、治療終了から4週~6カ月までの間、6カ月~12カ月までの間の3時点で行った。

 その結果、CBT-iは他の治療法と比べ、治療終了時点で、主要評価4項目が全て有意に改善していることが判明。入眠潜時は19.03分(95%信頼区間14.12-23.93)、中途覚醒時間は26.00分(15.48-36.5)短縮し、総睡眠時間は7.61分(-0.51から15.74)延長した。睡眠効率は9.91%(8.09-11.73)改善していた。この改善効果の量は、臨床的に意義のあるレベルだった。入眠潜時、中途覚醒時間、睡眠効率は、それ以降の評価時点でもCBT-i群で改善傾向を示した。

 5件の研究では睡眠ポリグラフ検査を行っていたが、そのメタアナリシスでも、CBT-iの有用性が支持された。なお、全ての研究で有害事象は報告されなかった。

 原題は「Cognitive Behavioral Therapy for Chronic Insomnia: A Systematic Review and Meta-analysis」、概要は、Ann Intern Med誌のWebサイトで閲覧できる。
http://annals.org/article.aspx?articleid=2301405

                                                 21世紀健康館 牧野

 - Staffブログ