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株式会社 ヒューマンラボジャパン

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食で心を育てる

   

とても興味深い記事を発見しました
皆様はどう思われますか

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次世代の子どもたちが食を通じて健全な心身を培い、
豊かな人間性を育むことができるよう、食育活動を推進する
大阪ガス株式会社では、
平成23年3月5日、教育関係者を対象にした「第5回食育セミナー」を開催されました。

今回は、特別講演として、「味覚教育」に詳しい
千葉大学教育学部附属小学校 佐藤雅子教諭による、
「感じることで食を豊かに~フランスの『味覚教育』を取り入れた食育の進め方」について、
講演が行なわれました。「味覚教育」とはどのようなものなのか、
味覚教育を導入することで子どもたちにどのような変化があるのか等についてご紹介します。

感性を磨き、表現力を育てる「味覚教育」

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千葉大学教育学部附属小学校 佐藤雅子教諭

2005年に日本で食育基本法が成立されて以来、学校や地域社会などで
食育活動が活発になっています。
特に「味覚教育」において、お手本の一つになっているのは、
フランス味覚研究所創設者のジャック・ピュイゼ博士の味覚教育です。

フランスでは、ピュイゼ博士考案の「ピュイゼメソッド」と呼ばれる「味覚教育」を、
過去約30年間で10万人近い子供たちが受けたといわれています。

日本でも2000年頃から「味覚教育」への関心が高まり、佐藤雅子教諭は、
千葉県長期研修生として1年間学び、
この間にフランスの「味覚教育研修ツアー」に参加されました。
フランスでジャック・ピュイゼ博士から直接指導を受け、フランスの学校を視察されました。

これらの経験をもとに、2009年より千葉大学大学院に在籍し、
「味覚教育」を取り入れた家庭科の教育の研究を行い、
2010年に千葉大学教育学部付属小学校に家庭科専科として着任されました。

「味覚教育」と聞くと、甘味、塩味、苦味などの「味覚」を磨くための取り組みのように
思われがちですが、フランスでは、味覚に加えて、視覚、嗅覚、聴覚、触覚という
「五感」が活用されています。

さらに佐藤教諭は、「人は、五感を使って食べ物を味わう。そのことが、
分析力・判断力を培い、自分を知り、相手を敬う心を育てる。
それが人生を豊かにすることにつながる」と述べられました。

自分と向き合い、人との違いを認める

佐藤教諭が、これまで研究、かつ実践された家庭科の授業では、
小学校低学年から高学年、中学生と年齢に応じて、内容は異なりますが、
五感を使ったエクササイズを行い、同時に「感じたことを表現する」ことが盛り込まれています。

「嗅覚」のエクササイズでは、例えば小瓶の中のにおいをかいで、
「好きか、嫌いか」
「何をイメージするか」
と、子どもたちに問いかけます。

「何のにおい?」と問うと、間違えることが嫌なので、なかなか発言しにくいのですが、
イメージを問いかけることで、それぞれが自由に発想し、発言しやすくなります。

「月桂樹」の香りをかいで、子どもたちにイメージをたずねると、
「若い草みたい」
「シソみたい」
「ガムをかんでいる時のイメージ」
「ホームセンターをイメージするにおい」
など、感じ方や表現の仕方はさまざまです。

もしも、「トマトのイメージは?」とたずねられても、今までトマトを見たことも、
食べたこともなければ、赤い色や、青っぽいにおい、あまずっぱい味など、
トマトが旬の夏の風景など、イメージを広げることはできません。
人は、それぞれの経験によって、感じ方や表現も違うものなのです。

このような五感を使ったエクササイズを行うと、子どもたちは、
自分の感覚とむき合い、また人との違いを認め合うようになります。
さらにはクラス全体の雰囲気が、他の場面でも他者を認め合えるようになるそうです。

おいしさの共有が感謝や愛情に

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大阪ガス株式会社主催 第5回食育セミナー

佐藤教諭は、フランスで学んだメソッドを基に、
日本で「味覚教育」を取り入れた家庭科を実践されていますが、
大きく違う点は、「調理」というプログラムです。フランスでは一つの
「体験」として扱われますが、日本では「体得」することが重視されています。

「ごはんとみそ汁」を作るプログラムでは、生米と炊きあがったごはんの香りを比較し、
調理によって香りが生み出されることに気づきます。またみそ汁づくりではだし入りと
だしなしの味の比較をするなど、様々なエクササイズを展開します。

イメージするものを言葉で表現させると、例えば「ぼこぼこ」という表現ひとつでも、
ひらがなで書くのかカタカナなのかでイメージは異なりますし、
あるいは「蜂の巣みたい」と表現することもあります。
調理という経験を通じて、子どもたちはどんどん表現する言葉が増えていくそうです。

またこうした経験を通じて、
「家で調理をする機会が増えた」と答えた子どもが86%
「自分でごはんとみそ汁が作ることができる」と答えた子どもが100%
という結果が得られました。

さらに
「自分で作った料理はおいしい」
「家族が喜んでくれたことが嬉しい」
「食べ物への感謝の気持ちがわいてくる」
などという感想がでてきました。

人のために食事を作るということは、「おいしさを共有する」こと。
それが、感謝や愛情という心を育むんです。

迷い、考える時間がチカラを育てる

佐藤教諭が最後に述べられたのは、家庭科には「迷い」の時間が必要だということです。

例えば、「みそ汁でだしをとる煮干しはどこを使うのか」?

子どもたちは、煮干しのにおいを嗅いだり、ちょっと食べてみて、
「はらわたが苦い」ということを知ります。そこから「苦いはらわたははずして使おう」と考えます。

この迷い、考える時間が大切で、自分で解決した時に大きな自信となるのです。

こうした実践例を中心としたお話を伺い、「味覚教育」が、これほどのびのびと
子どもの能力を引き出し、未来の人生にまでつながる、
大きな可能性を秘めているのだということがわかりました。

また佐藤教諭が仰る「迷い」の時間の大切さは、多忙に時間を過ごす私たちにとって
たいへん意味深いお話だと思います。子どもにとっては、大切な学びのチャンスを、
忙しさの中でついつい見逃しがちです。「迷い」の時間をもつことを、
できるだけ意識をするだけで、日常の中でも子どもの能力を伸ばす環境は
作ることができるのではないでしょうか。

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とても大切なことだと思いますし、ぜひ日常に取り入れていきたいと思います。
食と心の関係は知っているものの、なかなか繋げることができなかった私にとって
目からうろこのような記事でした

ヴィロード すぎ

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